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実質賃金は減少が続く~給与増も物価の上昇には焼け石に水?

実質賃金は減少が続く~給与増も物価の上昇には焼け石に水?

 

2日に厚生労働省が発表した7月の毎月勤労統計調査(速報)では現金給与総額が前年同月より2.6%増えましたが、物価上昇を考慮した実質賃金指数は逆に1.4%減っています。

今年の春闘で賃上げムードがひろがりパートなどを含む労働者が受け取る現金給与総額(基本給、残業代、賞与などの合計)が7月は36万9846円を2.6%増え、1997年1月の6.8%増以降最も大きく上昇しています。

 

しかし実質賃金指数は円安で輸入品を中心に物価が上がり始めた去年の7月からずっとマイナスが続いています。

物価は上昇傾向が続き7月の生鮮食品をのぞく総合の消費者物価指数は前年同月より3.3%上昇しました。

肉類8.9%、魚介類10.8%上昇と値上げも目立ちます。加えて低温続きで作物が育たず野菜の高騰も続いています。

春闘の賃上げ率は15年ぶりに2%台に乗せましたが物価高で実質賃金は追いついていません。7月の家計支出は前月より悪化しています。

 

賞与などの特別給与が前年同月比7.1%増ととりわけ伸びていますが、厚生労働省によると「景気回復や人出不足を背景に、賞与を上積みした企業が多かった」ということです。

建設業は前年同月比31.1%増、飲食サービス業は30.0%増と人出不足が深刻な業種では大幅な増加となっています。

基本給も安倍政権の異例や賃上げ要請を受け、賃上げの動きが中小企業にも広がったこと、非製造業などで非正社員を正社員に登用する動きでより給与の高い一般労働者が増えたことなどが増加の要因です。

給与総額が増えたと言っても企業の業績で大きく変動する賞与の部分が中心で基本給はさほど伸びていないため個人消費は増税や物価高で思わしくなく、消費の回復はまだまだ時間が掛かりそうです。


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