一流大学を出、大企業に就職することで生活は安泰、というわけにはいかないご時世になっています。
就活で疲れきっている若者、リストラにあった中高年、妻帯者で年収が300万以下等ぎりぎりの生活を強いられる層も少なくありません。
まじめに働いていてもほんのすこし歯車が狂ってしまっただけで生活が困窮するどころか、命を落とすことすら起こりかねません。
生活が苦しい時、借り入れで一時しのぎをしたくなるものですがこのような場合にはセーフティネットがあることを覚えておいてほしいと思います。
セーフティネット
日本国憲法第25条1項「全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
つまり国が最低限の生活は守ってくれる、ということでこの決まりを実行するのがセーフティネットと呼ばれるいろいろな制度です。
雇用保険、生活保護、児童扶養手当（母子手当てと呼ばれていた）が有ります。
失業給付も生活保護も受けられない状態の人たちを対象にした第2のセーフティネットも設けられました。
住宅手当（地方自治体）、総合支援資金貸付（市町村社会福祉福祉協議会、訓練・生活支援給付（ハローワーク）、臨時特例つなぎ資金貸付（市町村社会福祉協議会）、就職活動困難者支援事業（ハローワーク）、長期失業者支援事業（ハローワーク）
しかし折角のセーフティネットも知らなければ使うことが出来ません。国や自治体が個別に提案してくれるわけではなく自分が動いて初めて行政のサポートを受けることが出来るのです。
主なセーフティネット2つについての情報をまとめてみました。
雇用保険
一般的に失業保険と呼ばれていますが、正確には雇用保険の「失業等給付」制度のことです。
失業者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4種類があります。
給付の対象になるためには条件がありますが詳細はホームページ、ハローワークで確認して下さい。ここでは離職理由について補足したいと思います。
離職理由
リストラ、倒産などの会社都合では、７日間の待機期間（失業状態の確認）が終わるとすぐに失業手当が支給開始されます。
一方自己都合の場合は、更に３ヶ月間は支給停止と言ってもらえません。
ここで注意して欲しいのは、会社都合なのに離職票には自己都合と書かれている場合です。離職理由によって支給される給付日数も違ってくるので必ず確認しましょう。
また自己都合でも労働条件が明らかに違う、結婚で遠方に引っ越すことになり通勤が出来ない、公共交通機関が廃止されて通勤できない、心身の障害、などの場合も特定理由離職者と言って給付期間が多くなります。
生活保護
生活保護制度には「健康で文化的な最低限の生活を確保する」と「生活困窮者の自立をサポートする」という２つの目的が有ります。
対象は預貯金が無い、親族の助けを受けられない、働けないあるいは最低生活費を満たさない場合に受け取れます。
最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
参考
世帯構成別の生活扶助基準額（平成25年8月現在）
71歳単身世帯 74,690 円
65歳、70歳夫婦世帯 114,810 円
4,29.31の3人世帯 154,860 円
3,7,31,39の4人世帯 182,770 円
*冬季加算や児童養育加算などの各種加算は含まれていない
*自治体により差がある
生活を営む上で生じる費用 扶助の種類 支給内容
日常生活に必要な費用
（食費・被服費・光熱費等） 生活扶助 基準額は、
(1)食費等の個人的費用
(2)光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出。
特定の世帯には加算があります。(母子加算等)
アパート等の家賃 住宅扶助 定められた範囲内で実費を支給
義務教育を受けるために必要な学用品費 教育扶助 定められた基準額を支給
医療サービスの費用 医療扶助 費用は直接医療機関へ支払 (本人負担なし)
介護サービスの費用 介護扶助 費用は直接介護事業者へ支払 (本人負担なし)
出産費用 出産扶助 定められた範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 生業扶助 定められた範囲内で実費を支給
葬祭費用 葬祭扶助 定められた範囲内で実費を支給
生活保護制度の利用は、お住まいの地域を所管する 福祉事務所 の生活保護担当で相談できます。
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