戦略
このエントリーをはてなブックマークに追加

セブン|コンビニおにぎり進化するグルメ・フードで快進撃!

「美味しいものほど飽きられる」とは鈴木会長の弁。変化する消費者のニーズに対応するには常に「美味しい」物を提供し続ける必要があります。

進化するグルメ・フードセブンのコンビニおにぎり
 
年間販売数が18億7,600万個(2,014年2月)のおにぎりにもセブンならではの秘密があります。

セブンのおにぎりの歴史、開発などをとおしてセブンの成長戦略の一端を覗き、進撃を続けるセブンの秘密を探ってみましょう。

セブンイレブン、おにぎり40年の歴史

 
セブンイレブンの一号店がオープンした1974年はコンビニがどんなお店なのか解らない人がまだ多い時代でした。

消費者が使い方がわからないのですから、どんなニーズがあるのかも解らないので店内に一体どんな商品をおいたらよいものかセブンにもわかりません。
 
 

セブンのおにぎり誕生と進化

 
皆で知恵を絞っていた時に時に現鈴木会長が「おにぎりやおでんを置いたらどうだ」。

当時ははおにぎりは家庭で作るものと反対されたそうですが、「これからは食事を外で買うニーズはあるはずだ」と76年におにぎりの開発をスタートさせました。

「やってみる価値はある」鈴木氏のそのチャレンジ精神が現在のセブンに繋がっていると言えるでしょう。

1974年5月 セブンイレブン一号店(東京・豊洲店)オープン
1976年  おにぎり開発スタート
1978年  「手巻きおにぎり」販売開始 パリっ子フィルム考案
1983年  「シーチキンマヨネーズ」販売開始
1984年  パラシュート式手巻きおにぎり販売開始
1989年  ワンハンド型手巻きおにぎり販売開始
1995年  「直巻おむすび」販売開始
1996年  「サンドおむすび」「赤飯おむすび」販売開始
2001年  「こだわりおむすび」販売開始
2003年  「おにぎり革命発売」
2006年  お米にやさしい「新・精米方式」へ
2007年  ふんわり握る「シート成型」を採用、有明海産ノリの使用
2010年  「おにぎり維新」
2011年  こだわりおむすびを「HOT成型」へ
2012年  手巻きおにぎりを振り塩製法へ
2013年  すべてのおにぎりを振り塩製法へ
2種類の具材の手巻きシリーズ販売開始
2014年  「金のおむすび」「銀シャリむすび」販売開始
 
 

 バブル崩壊後のおにぎり

 
1990年台後半~2000年初頭、バブル崩壊後は価格破壊が起こりコンビニは高い、というイメージを払しょくするためにセブンも低価格路線を試しました。

しかしセブンは低価格競争の中で、通常よりも高い「こだわりおむすび」を発売します。

鈴木会長の時代に逆行するような「高級なおにぎりを作ったらどうか」という発想がここでも大ヒット、価格よりも付加価値が重要であることを実証しました。

現在具材や握り方など多種多彩ですが、コンビニおにぎりを「グルメ・フード」へ進化させたのもセブンなのです。
 

 

新しいおにぎりの開発秘話

 
セブンイレブンのロングセラー商品の中でも大ヒット商品は手巻きおにぎりのシーチキンマヨネーズ。おにぎり専用のツナを独自開発して使用しています。

セブンのおにぎり開発は他のメーカーとチームを組んで取り組んでいます。
 
 

 コンビニおむすびの人気トップツナマヨ

 
ツナマヨはメーカーの担当者が新しい具材を考えていた時、小学生の息子がご飯にマヨネーズをかけて美味しそうに食べていたのを見てひらめいたのだとか。

コンビニおにぎりの人気トップ3のひとつ、ツナマヨネーズはセブンが開発したおにぎりだったのですね。

 
1983年に発売されてから未だに支持されていますがここにも秘密が。毎年のように改良をくわえて常に「美味しい」と言われるようにしているのです。

「美味しいものほど飽きられる」人気商品と言えど常に変化に対応しているセブン。ツナマヨが30年以上たっても支持されている秘密はまさにここに有りました。

煮玉子おむすびちなみに最近のマイブームはこちら「煮卵おむすび」
 
 

 セブンのおにぎりが美味しいわけ

 
セブンイレブンは商品の安定調達を図るために1つの商品を2つのメーカーに生産依頼しています。他社が開発した商品も協同組合を通じて常に復数のメーカーが生産しています。

セブンの要求にも答えなければいけない。自社が開発した商品も他社に開示しなければセブンで生き残れない。

 

そんなし烈な戦いの中で各社競っているわけです。より美味しいものを各社こぞって提供しようとしのぎをけずっている。

セブンのおにぎりが美味しいのは、セブンがメーカーに激しい競争を強いているからと言えます。

 
新商品の開発ももちろんし続けなければいけない、先端技術も導入してセブン向けの工場建設に投資もしなければならない。

設備投資や工場建設などに多額の借り入れが必要な場合もあるでしょう。

それでもなぜセブンのもとにつき従おうとするのか。それは圧倒的な販売量や成長を続けるセブンに自社の成長も経営者が重ねるからです。
 
 

 新商品の開発年間約1000種類のわらべや日洋

 
約3割のシェアでセブンのおにぎりやお弁当を開発・生産しているわらべや日洋は年間約1000種類もの試作品の開発をしていますが、そのうち採用されるのは約400種類。

社内の160人以上の開発担当者がセブンからの情報に基づき消費者のニーズに合わせた試作品を開発しているのです。

 
そうやって苦労して開発した商品も他のメーカーと共有しなければいけません。

自社工場がない地域や生産が追いつかなくなった場合にはセブンが他のメーカーの工場に生産を割り振ります。

 
更にセブンの要求に答えるための設備投資にはお金も増え続けます

セブンが今の成長を続けると売上高は毎年7%の伸びを期待できる*そうですが、その拡大ペースについていくためには、ほぼ毎年、工場を新設する必要があるのだとか。

それでもセブンに投資し続けるのは、セブンの成長が止まることは当面ないと考えているからです。

*1月7日に発表した2015年2月期第3四半期決算では売上高7%増、営業利益79.9%増
(セブン-イレブンの店舗増加に伴い共同配送事業の取扱高が増加したため大幅な増益)
出典: lnews.jp
 

 

お母さんの味に挑戦し続けるおにぎり

 
銀シャリ塩むすびセブンのおにぎり最高峰「塩むすび」
 
セブンのおにぎりがこだわり続けるもの。それは「お母さんの味」です。

手で握ったおにぎりは口に入れるとほろっとご飯がほぐれます。

しかし初めの頃のコンビニおむすびは機械で三角に型押ししていたので固くて味気がありませんでした。

セブンはご飯をフワッと包み込む機械を開発(2003年)したり、近年ではお母さんの握り方に似せて人間の握り方に近い機械の開発を続けています。

 
海苔もしっとりしないように工夫したパリッコフィルルムの開発から直巻、有明海産採用などこだわり続けています。

具材の工夫や塩の変更など常に美味しさを追求し続けるセブンのおにぎり。

お赤飯も炊飯器でなくせいろで蒸したり、塩水で炊いていたご飯をおにぎりを握ったあとで振り塩するようにしたなど人の手に近づけた製法になってきています

 
具のない「塩むすび」は専用開発の精米機で優しく磨きお米の旨味を味わえます。

お母さんの味が普通だったおにぎりをファストフードにしたのも、グルメフードに高めたのもセブンです。そして今、原点回帰。

まだまだお母さんの味に勝てない、とさらに挑戦するセブンのおにぎり。今後どのような商品が生まれるのか楽しみです。

 

 

成長戦略は「変化対応」

 

先日2015年の成長戦略を尋ねられた鈴木氏は「変化対応」と答えています。創業時から変わらぬ姿勢とも言えます。

セブンが進撃を続けるのは常に消費者ニーズの変化に対応して、ヒット商品を提供し続けているからでしょう。

 
新商品の開発、新しいサービスの導入に常に顧客の不便を便利にするためのニーズを追求しているからこその快進撃と言えます。

「美味しいものほど飽きられる」美味しい物もなれると飽きてしまいます。

だからこそ変化する消費者の好みをいち早く商品化して提供し続けているのです。
 

「変化があるから商売になる、変化に対応し続ける限り成長出来る」
「変化はあるもの、と常に問題意識を持っている」

セブンは変化に対応できる企業として経営者の理念が社員、加盟店オーナーに浸透するしくみ(FC会議と呼ばれています)が構築されています。

これがセブンの強さの秘密とも言えます。

 

 

まとめ

 
今でこそコンビニおにぎりは日常に浸透していますが、コンビニがまだ珍しくおにぎりは家で作るものという時代。

そこで販売に踏み切った鈴木会長の先見力こそセブンの進撃の原動力でしょう。

 
おにぎり史上大ヒットとなったツナマヨもセブン発。セブンのおにぎりは具だけでなく握り方にもこだわって開発を続けています。

おにぎりは家で作るもの⇒原点

忙しい日本人は食事を外で買う⇒ニーズがある

コンビニおにぎりの誕生

より美味しいおにぎりへ

原点回帰、お母さんの味へ

と進化し続けるおにぎりに込められたセブンの成長戦略。

 
普段何気なく食べているおにぎりにもギュッと込められたセブンの成長戦略に触れ、業績を伸ばし続けるセブンの秘密を垣間見た気さえしませんか。

ネットとリアル店舗のオムニチャネル化*にいち早く取り組んだのもセブンです。

銀行の常識から飛び出し他の金融機関へのコンビニATMの提供で稼ぐセブン銀行も、消費者の便利を追求しています。

「変化対応」のDNAが根付くセブンの進撃は止まりません

*オムニチャネル:
リアル店舗とネット、テレビ、カタログなどの通販を融合し、消費者がいつでも、どこでも、好きなときに、注文ができて、好きなときに好きなところで好きなものを受け取ることができる。


進撃のセブン!日本一の御用聞きセブンネット

近くのセブン~知らないと損をする便利すぎる6つのサービスへ⇒


便利すぎるセブン|セブンの借り入れコンビニ事情トップへ⇒


総合トップ節約精鋭部署の借り入れ削減術トップへ⇒

このエントリーをはてなブックマークに追加