国が保障している最低限の生活を送るための、生活保護費以下の水準、「老後破産」状態で暮らす「下流老人」は、600万人とも言われています。
定年後の生活を、早い段階できちんと設計、準備ができていれば良いのですが、そうでなく50代になってしまったら…
50歳からでも、定年後でも遅くありません。今すぐできる「老後破産を防ぐ方法」をお伝えします。
老後破産を防ぐ5つの方法
超高齢化社会となった日本、定年間近になって老後の生活に、不安を覚える人が増えています。晩婚化もあり、退職金をもらっても家のローンが残っていたり、十分な貯蓄ができていない、等。
老後破産を防ぐ基本
・準備: 老後に必要なお金を計算し、働いている間に老後資金を貯める
・定年後の生活: 貯金の切り崩しは最小限に
家族構成や、変化するライフスタイルに合わせて、生活水準を常に見直し、必要経費のムダを省くことも重要です。そのために今すぐできることは次の5つ。
1.家族構成に合わせて、小さな家へ住み替える 2.保険の見直し 3.介護離職はNO! 4.家族・親族・ご近所 人間関係作りが大事 5.年金支給額を増やす~繰り下げ、繰り上げ、付加年金 |
1.小さな家へ住み替える
住み替えることで、住居に関連する費用も減り、支出を抑えることが可能。退職金の目減りも防げます。
50歳を過ぎると、子供も自立している場合が多いので、自宅、賃貸を問わず、それまでの広さは必要なくなります。光熱費や税金、修繕費、維持費なども馬鹿になりません。住宅ローンが残っていればさらに問題は深刻に
自宅を売却して、小さなマンションや賃貸に住み替える。
定年時に、住宅ローンが残っていると、完済のために退職金を使うことになり、老後資金が一気に減ってしまいます。残債の確認をし、早めに自宅を売却してローンをなくし、住居関連費のサイズダウンを。
2.保険の見直し
現在支払っている保険料と、保障額を確認
場合によっては保険をやめてその分を貯蓄に回したほうが得なケースも。
「もしも」のために多くの人が加入する、生命保険や医療保険。公的な保障で十分間に合うことが多いものです。
生命保険
生命保険は、子供が自立している場合、極端な話ですが、葬式代が有れば必要ないとも言えます。
厚生年金や国民年金の加入者で、要件を満たしていれば、夫が死亡した場合には遺族年金が受け取れます。
医療保険
保険料と保障内容のチェックを。治療費が高額になっても、「高額療養制度」の利用でひと月の自己負担の上限は約9万円(年収770万円以下の場合)。差額ベッド代などの費用もあるので、ある程度の貯蓄(150万円程度)があれば、病気になった時に備えられるはずです。
3.介護離職はNO!
超高齢化社会では、親や配偶者の介護のために、離職せざるを得ない状態となり、人生設計が狂って、老後破産に繋がることが多いのです。
自分で介護をしたい、という気持ちはわかります。しかし介護は人に頼めますが、収入を得ることは自分にしか出来ません。介護離職は
定期的な収入が無くなる 貯金を切り崩した生活 親の年金頼り |
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となり、親子共倒れになる可能性が大きいことを肝に命じましょう。
4.家族・親族・ご近所 人間関係作りが大事
家族や近隣など、人と人のネットワーク作りを測ることも大切です。
・子供の自立を促す ・見えをはって子供に援助しない ・ご近所付き合いを大事にする |
子供が自活していても、自宅購入時や子供の教育費などに、大盤振る舞いをしないこと。何か有れば親が助けてくれる、と思い込むもとです。
同居して親のすねをかじる、ニートや低収入の子供は、社会的な支援などを利用し自立させることが必要です。子供が自立出来ないと、親の負担が増すばかりで老後破産につながります。
いざというときに、金銭的、体力的に、子供を頼れる存在にしておくことが大事。
「遠くの親戚より、近くの他人」
具合が悪い時に病院に連れて行ってくれたり、様子を見てくれたりする方が周りにいると、安心です。
特に女性は夫に先立たれて、一人になる可能性が高いので、すぐに異変を察知して対応してもらえる、ご近所の存在は、ありがたいですね。
5.年金支給額を増やす
・国民年金は最大40年間の加入しか出来ませんが、付加年金にも加入できます。 *月400円を追加することで、受給額が200円×加入月数増える。 ・厚生年金は働けば働くだけ上乗せできる。 |
繰り下げ受給
定年後で年金の受給年齢に達していても、開始年齢を繰り下げることで、毎月の受給額を増やすことが出来ます。ただし、一定の年齢以上長生きした場合に総支給額でメリットがある方法です。
*基礎年金部分: 65歳からの受給を70歳からの開始に繰り下げると、月27,304円増える。
繰り上げ受給
受給開始年齢を前倒しにすることも出来ます。本来受給できる額より少なくなるので、繰り下げとは逆に、一定の年齢以上長生きすると、総受給額で損をします。
繰り下げと繰り上げ、受給額比較
繰り下げ受給 | 繰り上げ受給 | ||||
---|---|---|---|---|---|
受給開始年齢 | 受給額 | 長生きすると得になり始める年齢 | 受給開始年齢 | 受給額 | 長生きすると損になる年齢 |
66 | 845,628 | 77歳10ヶ月 | 60 | 546070 | 76歳8ヶ月 |
67 | 911,156 | 78歳10ヶ月 | 61 | 592876 | 77歳8ヶ月 |
68 | 976,685 | 79歳10ヶ月 | 62 | 639682 | 78歳8ヶ月 |
69 | 1,042,213 | 80歳10ヶ月 | 63 | 686488 | 79歳8ヶ月 |
70 | 1,107,742 | 81歳10ヶ月 | 64 | 733294 | 80歳8ヶ月 |
※基礎年金部分の受給額。65歳、満額でもらう780,100で計算(平成27年4月現在)
付加年金
国民年金保険加入者が、例えば15年間加入すると、総支払額は72,000円。一方貰える額は年間36,000です。つまり2年間受給すれば保険料は回収、その後は長生きすればするほど得です。
まとめ
ライフスステージ毎に必要なお金で大きなものは、結婚資金、住宅資金、教育資金、老後資金。若い頃から家計管理をしっかりすすめ、それぞれ十分な貯蓄ができていれば、問題はありません。
計画的に準備できなかったあなたでも、悲観することはありません。定年間近、あるいは定年を迎えてからでも、
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があります。さあ、あなたも今すぐはじめましょう。
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