ダイエットに油はNGと思われがちですが、むしろ効果が期待され積極的に摂りたい油も有ります。良い悪いにかかわらず油は身体に必要です。無論良い油でも摂り過ぎは肥満のもと!
あなたの体の中にある細胞の細胞膜の材料は油です。肥満になったり、あるいは健康で若々しさを保っていられたりするのはどんな油を摂るかによると言っても良いでしょう。
魚油に多く含まれるn-3系不飽和脂肪酸で摂りたい油NO.1のEPAやDHA、バランス良く摂りたい他の油や油を摂らなくてはいけない6つの理由もお伝えします。油の摂り方をマスターして細胞から健康キレイに脳も体も若返り!
目次
最近話題になっている5つの油
・DHAやEPAを多く含む魚油
(n-3系:血管と神経を若々しく保つ、認知症や心筋梗塞のリスクを下げる効果が期待される)
・エキストラ・バージン・オリーブオイル
(n-9系:悪玉コレステロール(LDL)を減らし善玉コレステロール(HDL)を維持する働きをするオレイン酸が多い)
・ココナッツオイル
(飽和脂肪酸:すぐに燃焼してエネルギーになりケトン体を合成する中鎖脂肪酸が多い)
・エゴマ油、アマニ油
(n-3系:抗酸化成分が豊富。脂質代謝の改善が期待される)
・アボカドオイル
(n-9系: 抗酸化成分、ビタミンEが豊富。食物繊維も多く腹持ちが良いのでダイエットに向いている。動脈硬化の予防に期待される)
あなたの体は油によってできている、と言っても良いのは油が脂溶性の栄養の吸収を良くする働きをもち、体内にある膨大な数の細胞の細胞膜の材料ともなっているからです。良い油は健康な細胞を作り出すと言えるでしょう。
摂りたい油、とりすぎに注意したい油
n-3系不飽和脂肪酸
血液中の中性脂肪の増加を抑え血圧を下げる効果もあり、メタボを気にする人には最適の油といえます。
さらに魚油に多く含まれている血栓を作りにくくするEPA(エイコサペンタエン酸)、脳に栄養を行き渡らせて神経の伝達をスムーズにするDHA(ドコサヘキサエン酸)は身体に良いと言われるn-3系脂肪酸の王様とも言えます。
ゴマなどに豊富に含まれるn-3系のαリノレン酸は摂った量の1割り程度しかEPAやDHAになりません。ですから効率よくEPAやDHA、さらにタンパク質やカルシウム、鉄分なども摂れる魚は積極的に食べたい食材です。
しかし熱を加えると1割から2割減り、揚げ物は油に魚油が溶け出してしまうので調理方法にも注意しましょう。
魚の缶詰でもEPAやDHAは手軽に摂ることができるのでうまく利用したい食材です。つけ汁も利用しましょう。
EPAやDHAについて詳しくはDHP、EPAで血液サラサラダイエット効果!さんまご当地レシピ付きで
中鎖脂肪酸
ココナッツオイルやパーム油は体脂肪を燃焼する中鎖脂肪酸が多く、食欲を抑える効果も有ると最近話題のダイエット法に利用されています。認知症の予防や改善に効果を期待できるという研究結果も報告されています。
話題のダイエット法はココナッツオイルダイエットが劇的に痩せる!その根拠とまとめで詳しく解説しています。
摂り過ぎると肥満に繋がるが、美容や健康に良いとされる油の例
アボカドオイル(n-9系:オレイン酸、ビタミンEが豊富。ダイエト、動脈硬化の予防が期待できる)
ごま油(n-6系:セサミン、ビタミンEが豊富。肝機能の保護に効果が期待出来る)
油を選ぶ時のチェックポイント3つ
1.使用目的によって選ぶ~加熱用?生食用?
例えば熱に弱いα-リノレン酸を炒め物にしては痩せる効果が減ってしまう。
主成分がどんな脂肪酸なのかを確かめる。
2.できるだけ自然なものを選ぶ
本来の有効成分が除去されたり変質してしまうこともあるので
加工された油や添加物のある油は注意。
3.鮮度の良い物を選ぶ
酸化すると変質して脂肪細胞の増加を促す油もある。
酸化に弱い油は冷蔵保存で早めに使い切る。
容器に色が付いているものは酸化しにくいが多くの油は
透明の容器が使われているので保管にも注意する。
健康やダイエットに良い油と悪い油
出典: 脂質と脂肪酸のはなし 消費者庁食品表示課 平成22年9月
脂の性質は脂肪酸の組み合わせで決まります。肥満の原因ともなる中性脂肪を構成している脂肪酸にはいろいろな種類があります。
食事で摂っている油はグリセリンが3つの脂肪酸とくっついたトリアシルグリセロールの集まりです。
体内で合成できないn-3系、n-6系の多価不飽和脂肪酸(身体に良い油です)、注意しないと摂り過ぎ勝ちな体内で合成できる飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸(n-9系)脂肪酸に大きくわけられます。
どの脂肪酸も身体にとって必要な物なのでそれぞれ適量をバランス良く摂ることがひいては健康やダイエットに有効なのです。良い油だからといっても摂り過ぎれば肥満にもつながります。
n-3系多価不飽和脂肪酸
しそ油、エゴマ油、DHAやEPAなどに含まれるα-リノレン酸(コレステロールを下げ血栓が出来ないようにする作用もあります)身体に良い油です。
n-6系多価不飽和脂肪酸
ゴ マ、ピーナッツ、アーモンド、高野豆腐などに多く含まれるリノール酸が代表的です。コレステロールの低下作用があると一時もてはやされましたがそれは単位的なものであり、リノール酸の摂り過ぎは皮膚などに炎症が起きやすい、がん、アレルギー、心臓病や老化を進める原因となることが最近わかってきています。
リノール酸は体の中でアラキドン酸プロスタグランジンと言うホルモン状の物質に変化して炎症反応を起こすのです。リノール酸を摂り過ぎでアラキドン酸が増えると免疫細胞が働きにくくなります。脂肪細胞が酸化してさらに脂肪細胞を増やすので肥満につながり健康にも良くないことがわかってきました。
アラキドン酸に変化するリノール酸ですが、成長期の脳や体の発達には必要な油です。体内で作り出せないので食事から取らなければいけません。
n-9系不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)
オリーブオイル、アボガトオイル、菜種油など。オレイン酸、バルミトレイン酸など常温では個体の油で酸化しにくい特徴(抗酸化作用)を持っています。エネルギー源となりますが摂り過ぎて使われなかった分は体脂肪になります。
飽和脂肪酸
動物性の食品に多く常温で固まりやすい油です。エネルギーとして使われなかった分は体脂肪となり体に溜まります。ココナッツオイルも飽和脂肪酸ですが、こちらはすぐ燃える中鎖脂肪酸がほとんどなのでダイエットに向いている油です。
トランス脂肪酸
マー ガリンの製造過程で発生するトランス脂肪酸は、脂肪細胞を酸化させ肥満の原因になりやすく、また心筋梗塞など心疾患の要因とされています。FDA(米食品 医薬品局)は今年6月16日にトランス脂肪酸は「安全とは認められない」と判断して2018年6月以降の原則使用禁止を発表しています。
日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量はWHOの基準を満たしていますが、特に都市部在住の女性や男性は基準以上摂取しているという報告も有ります。
牛肉などに自然に含まれるトランス脂肪酸は問題ありません。マーガリンの原材料表示に「食用精製加工油脂」と書いてある場合は人工的に生まれたトランス脂肪酸の可能性が高いです。
油が身体に必要な6つの理由
油や脂は体内の細胞を組織するのに必要な成分で体脂肪や細胞膜の材料として女性の身体には10kgほどある、とも言われています。油が身体に必要なのは
1.脂溶性の栄養素の吸収を助ける
2.肌のバリア機能最前線、皮脂を分泌
3.細胞膜の材料になる
4.細胞膜空出る脂肪酸が免疫力を高める
5.エネルギーを体脂肪として効率よく蓄える
6.脳内伝達機能が改善
などの働きをするからと言えます。
また、油は太るという先入観をもちがちですが、脂肪を燃焼しやすくるダイエットに適した油もあります。ダイエットで極端に油を控えると様々な肌トラブルが起きたり、健康を害したりしがちなのは身体に必要な油が供給されなくなるからなのです。
1.脂溶性の栄養素の吸収を助ける
野菜に多く含まれるビタミンAやカロテノイドなど脂溶性の栄養は油と一緒に食べると体に吸収されやすくなります。野菜サラダにはアボガトなどそれ自身に油を含む食品やオイルを加えると良いです。
油に溶け込む脂溶性成分は油に溶けないと細胞に吸収されないのです。油性のメイクが水では落ちず油に溶け込んで落ちるのと考え方は一緒です。
脂溶性成分を吸収する助ける働きだけを取り出すと、質の良し悪しにかかわらず人間の体には油が必要なのです。
2.肌のバリア機能最前線、皮脂を分泌
出典: http://www.kt.rim.or.jp/~miyoharu/bihada03.htm
皮膚から水分が蒸発しないように保ったり、外部の刺激から肌を守っている肌のバリア機能の一番外側にあるのが皮脂膜です。皮脂腺に蓄えられた脂肪細胞が破裂して皮脂を表皮に分泌しています。
皮脂は肌に潤いを与えたり細菌から皮膚を守る働きもしています。良い油をとることで美容にも効果が期待できます。
3.細胞膜の材料になる
細胞を包み隣の細胞との境界を形成している細胞膜は脂肪で出来ています。脂肪がなければ細胞は形を保つことができず、細胞として活動できないのです。
いい油を摂ると柔軟性が高まり細胞の中や外での栄養や情報のやり取りがスムースにいきます。細胞の新陳代謝も上がり身体を若く保てます。
人間の細胞膜の面積はおよそ東京ドームと同じです。体の中を60兆個の部屋に仕切っています。細胞膜は食べる油で柔らかくなったり硬くなったりします。
細胞膜はリン脂質二重膜と呼ばれる構造をしていて外側はリン酸部分、内側には2個の脂肪部分をむけています。脂肪部分にどの脂肪酸があるかによって細胞の組成が違い働きにも違いがあります。
脂肪酸は細胞膜の構成要素です。細胞膜では、リン脂質が2列に並び細胞膜の内側と外側を形成しています
出典: http://homepage2.nifty.comsmark/TFAThpy.html
4.細胞膜から出る脂肪酸が免疫力を高める
細胞膜の内側にある脂肪酸は病原菌などの刺激を受けると細胞膜から飛び出し、「生理活性物質」となリます。n-6系脂肪酸からつくられたプロスタグランジンは炎症・発熱などを引き起こし、n-3系脂肪酸からは炎症を抑えるレゾルビンが作られます。
双方が逆の働きをしますがどちらも病原菌から身体を守るためのものでバランスを取って炎症反応をコントロールしています。発熱や痛み、腫れを伴います。
5.エネルギーを体脂肪として効率よく蓄える
同じ1分子でもエネルギーの元となる糖(グルコース)の3~4倍のエネルギーを生み出せるのが油です。体積あたりのエネルギー密度が高く、余ったエネルギーをコンパクトにためられます。身体に含まれる脂肪の9割以上が皮下や内臓回りに蓄えられるので、エネルギーが余ると肥満につながります。
※以前は脂肪細胞は脂肪を溜めこんで膨張するけれどおとなになったら数は増えないとされていましたが、脂肪細胞も膨れる限界になると分裂することがわかってきました。肥満は一つ一つの脂肪細胞が膨張するだけでなく、数も増えてしまいます。
6.脳内伝達機能が改善
脂肪酸で作られたリン脂質が脳内の神経伝達に不可欠です。いい油を摂ると伝達機能があがり情報の伝達がスムーズになることがわかってきました。認知症の予防や改善の効果も研究されています。
出典:http://seibutsushi.net/blog
脂肪酸の分類
1.飽和脂肪酸…バターやラードなどの動物性脂肪に多く含まれるもの
2.不飽和脂肪酸…植物油や魚油に多く含まれるもの
(1)一価不飽和脂肪酸…オリーブオイルやべに花油に含まれるオレイン酸など
(2)多価不飽和脂肪酸…植物油や魚油などに含まれるα-リノレン酸やリノール酸など
n-3系脂肪酸 シソ油、エゴマ油、DHA、EPAなどに含まれるα-リノレン酸など
n-6系脂肪酸 ゴマ、ピーナツ、高野豆腐などに含まれるリノール酸など
油は身体に良い、悪いで単純に考えられるものではありません。良い油ばかりを取っていればよいかといえばそうではないのです。どの油も適量が必要です。自然なものを自然にバランス良く摂ることが身体にとっても最適であると言えます。
国が定めたn-3系:n-6系の摂取の目安は1:4。日本脂質栄養学会、国際脂肪酸・脂質学会は1:2を推奨しているそうです。
まとめ
油が身体に必要な6つの理由は
1.脂溶性の栄養素の吸収を助ける
2.肌のバリア機能最前線、皮脂を分泌
3.細胞膜の材料になる
4.細胞膜から出る脂肪酸が免疫力を高める
5.エネルギーを体脂肪として効率よく蓄える
6.脳内伝達機能が改善
身体に良い油は
n-3系不飽和脂肪酸:魚油、オリーブオイルなど
中鎖脂肪酸:ココナッツオイル、パーム油など
避けたい油
トランス脂肪酸(人工的に生まれたもの)※FDA(米食品医薬品局)は2018年6月以降の原則使用禁止を発表
減らしたい油(過剰摂取に注意)
n-6系脂肪酸(スナック菓子など加工品や植物性油に多く含まれるリノール酸など)
飽和脂肪酸(バター、ラードなどに多く含まれる。肥満の原因にもなる)
一価不飽和脂肪酸(オリーブオイル、アボガドオイルなどに多く含まれる肥満の原因にもなる)
n-3系以外のこれらの油にも抗酸化成分、ビタミンEなどが豊富な油もあり適量を摂るのは健康や美容に良いとされています。
※脂肪酸の特徴や期待される効果などは様々なメディアの情報を集め管理人が独自にまとめたものです。かつてリノール酸が体に良い油、動物性油脂のバターは良くない、卵はコレステロールが上がるので良くない、等と言われていたことが現在は否定されていたりと油にまつわる常識は変わってきています。アメリカではかつてはバターより良いとされたマーガリンの製造過程で生まれる人口のトランス脂肪酸を「安全とは認められない」として2018年6月以降原則使用禁止にすることを発表しています。このようにここでまとめた情報も研究の結果などで変わる可能性もありえます。
⇐ココナッツオイルダイエットが劇的に痩せる!その根拠とまとめへ
借り入れ比較と見直しトップへ⇒
総合トップ節約精鋭部署の借り入れ削減術トップへ⇒