飲み会は幹事選びに失敗すると無用な出費と無駄な時間が発生し、ストレスを抱えて帰宅することになりかねない。
特にフリーランスや個人事業主の飲み会では、通常の組織の飲み会と違う形態となるので幹事の責務は重大だ。
会場選びのほかに領収書の発行にも気を使わねばならない。
確定申告の際に経費として確実に使えるよう、個別の領収書を発行してもらう時には幹事が十分注意する必要がある。
参加者の満足を得られるお店選びや領収書の発行などを、安心して任せられる幹事選びで失敗しないコツは3つある。
幹事に求める資質を紐解けば自ずからコツは見えてくる。
目次
1.飲み会の幹事選びで失敗しない3つのコツ
当たり前だが幹事の資質を持つ人を選ぶことに尽きる。ここを間違えなければ大抵の場合不毛な飲み会となる失敗は避ける事が出来る。
幹事に求められる資質とは
◆お店選びのセンス
◆メンバーからの信頼
◆領収書に関わる知識
の3つであり、これがある人を幹事に選べば良い。
1-1 お店選びのセンス
お店選びは飲み会の成否のカギを握っている。幹事はお店選びの「センス」を持っていることが重要。
まず優先すべきはアクセスの良さだが、アクセスの良いお店を探すのは誰にでも簡単だ。
問題はお店の雰囲気や料理がどうであるか。
利用したことがあるお店の利用が一番間違いはない。しかし、毎回同じというのも芸がないし、飽きてしまう。
フリーランスの飲み会はある意味情報交換の場でもある。絶対選んでいけないのは
騒がしい
狭い
落ち着かない
もちろん料理の内容も考慮しなければいけないが、落ち着いてメンバー同士が交流できることを再優先すべきだ。
では、知らないお店の中からどのようにして選ぶのか。
大抵の場合はぐるなびや食べログと言ったサイトを利用して検索するだろう。
星の数ほどもあるネット上の情報から「アタリ」のお店を選ぶのは、アナログで申し訳ないがこれはもう「センス」としか言いようがない。
そのセンスを持ち合わせた人物を幹事に選ぶことが飲み会の成功につながる。
1-2 メンバーからの信頼
会を重ねると「Sさんが幹事なら間違いない!」とメンバーから信頼を得られる人が出てくる。必然的に「常任幹事」のような存在になりがちだが…
幹事となるとメンバーへの連絡やお店の手配などで結構時間を取られるものだ。更に当日は純粋に会を楽しむ余裕を持つことは難しく、誰もが敬遠しがち。
そこをメンバー全員が認識して感謝の気持ちを持つべきである。幹事の大変さはやってみなければわからないので誰もが一度は経験してみるべきだ。
毎回メンバーが同じなら持ち回りの当番制でも良いが、人には得て、不得手があるので残念な会になるケースも出てくる。
口には出さずとも、「Aさんの当番では期待できないなあ」「今回は欠席にしようか」といった意識が生じるのだ。
しかし、引き受けてみないことには幹事の苦労は理解できない。影で文句を言う前に一度は自身で幹事をするべきである。
信頼を寄せられる幹事が存在する、ということは幸運であると再認識すべきだ。
1-3. 領収書に関わる知識
フリーランスの飲み会では大抵の場合全員が領収書を必要とする。会議打ち合わせ費などとして必要経費の計上をするためだ。
飲み会では幹事が一括で支払い、お店に人数分の領収書の発行をお願いする。ほとんどのお店が対応してくれるのでここは問題がない。
しかし問題は、その領収書の中身である。
たかが一枚の領収書だが、確定申告の際に経費として認められる領収書でなければ意味がない。
領収書として最低限必要な項目は
●宛先
●日付
●金額
●但し書き
●発行者情報
●発行者印鑑
である。
よくあるケースが宛先が空欄のもの。人数が多くなるとお店では面倒がり記入してくれない場合もあるからだ。
幹事は事前に人数分の領収書が必要なことを伝え、宛先のリストを渡しておく気配りも必要だ。
* 宛先が空欄の領収書を発見しても、自分で自分の名前を記入してはいけない
* フリーランスの飲み会は打ち合わせ会議費の勘定科目に入れるのが適切である。
‐接待交際費は相手先の費用も含めるので一人分の飲み会費は該当しない。
2. 達人に聞く~飲み会の幹事の心得
参加者が満足して帰宅できる会になるかどうか、幹事の果たす役割は決して少なくない。
達人と言われる方に飲み会の幹事の心得を聞いてみた。
2-1幹事の心得
「幹事に求められる資質」と密接にリンクしている。すなわち
◆お店選びのセンス
◆メンバーからの信頼
◆領収書に関わる知識
について注意すべき点を抑えることだ。一言で言えば、
「アクセス、雰囲気の良いお店で有意義な時間が過ごせ、経費計上も間違いなく出来る領収書をもらえた」と皆が満足出来る会を開催出来る技量をもつ。
ことである。さらに
●準備段階から参加者への案内を怠らず、直前の確認もすることで安心を提供する。
●当日は事前に個別の領収書の発行を依頼しておくなど、細かい気配りも忘れない。
●2次会に備え、候補のお店も複数選んで電話番号などを控えておく。
2-2 カンの世界~口コミはみない
良く撮れているに違いない写真からいかに実際の店舗をイメージできるか、これはもうカンの世界と言える。
店舗情報、料理についての口コミは参考にしない。あくまでも自分のカンに頼ったほうが間違いがない。
選んだお店が「アタリ」だった時はなんだか苦労が報われた気がするそうだ。
「カン」の良い「知識」のある幹事を選ぶ「カン」も飲み会の成否に大きく影響するとも言える。
3. 国税が目を光らせる領収書の発行で犯しやすいミス
フリーランスでは自身が領収書の発行をする場合もありえるので、覚えておいて損はないのが発行する側の注意点。
例えば一括支払いの領収書を発行した後に、人数分の領収書も発行した場合である。両方の領収書を支払者に渡してしまうと、2重の売上が計上されてしまう。
クレジット払いで個別の領収書を更に発行した場合も該当する。
3-1 売上の二重計上で重加算税
一括支払いの領収書のほかに個別の領収書を追加で発行した場合、事実関係を明確にしておかなければいけない。
一括支払いやクレジットでの売上と領収書控えを集計すると申告した売上よりも多くなるからだ。
税務調査が入った場合、「売上除外」と言って本税の35%~40%の重加算税が課される場合も有り得る。
一括支払いの領収書は相手に渡さず、個別に発行した旨の但し書きを付けておくと間違いがない。
「売上除外」とは税金を払わないで済むように売上をごまかして過小に申告した場合だ。
ちなみに計算間違いをして売上を過小に申告した場合は「売上計上漏れ」となり本税の10%~15%の過少申告加算税が課される。
意図していなくても領収書に不備があった場合、重加算税が課せられる「除外」、あるいは過少申告加算税の「計上漏れ」どちらに取られるかは税務署次第だ。
領収書の二重発行をした場合はくれぐれも事実関係を明確にしておき、不要な加算税を課されない内容に処理することが大切だ。
3-2 白紙の領収書は不正の証拠?
税務調査が入って白紙(金額が書いていない)の領収書があった場合、国税はあなたが経理や税務に関心が低く、不正に繋がる事実がどこかにあるかもしれないと考える。
少しでも不審な点を見つけるととことん調べてきちんと税金を払わせようとするのだ。
単純なミスでも重大な結果をもたらすこともある。領収書の発行には最新の注意が必要である。
3-3 幹事が個別に領収書を発行した場合
まれに合計金額の領収書しか発行してくれないお店も有る。その時は幹事が全員に個別の領収書を発行することになる。
注意点は複写式の領収書(100均ショップのものでOK)で発行し、控えを必ず残すことだ。
領収書に必要な項目を漏らさないことは言うまでもない。
幹事はお店の領収書と個別に発行した領収書の控えを合わせて確定申告をすれば自分の分が明確に出来る。
例えば7人で28,000円の会計の場合、一人分は4,000。お店の領収書は28,000円で幹事は手元に6人分合計24,000円分の領収書の控えが有るはずだ。
28,000円から6人分24,000円を差し引けば自分の分4,000円となる。
まとめ
フリーランスの飲み会で幹事の果たす役割は非常に大きい。失敗しない幹事選びの3つのコツは
◆お店選びのセンス
◆メンバーからの信頼
◆領収書に関わる知識
が有るかどうかを基準にすることだ。
メンバー同士が良い交流ができ満足して幹事に感謝する。そんな関係がスムースに出来あがると更に充実した会が開催できる。
たかが飲み会の幹事、とあなどっていはいけない。幹事を経験しなければ得られないこともあり、そこから新たなビジネスチャンスの可能性が広がっていく。
この記事を読み、「幹事選びの達人」になるか、「幹事の達人」になるかはあなた次第だ。
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