高血圧の予防、改善は減塩!というのが定説ですが、「減塩食は美味しくなくて」と二の足を踏んでいる方に朗報です!
塩分を減らさないであるものを減らすだけの減塩法が有りました!
NHKのためしてガッテンでも過去の放送で取り上げられた「食塩を排出する食事」ダッシュダイエットと減塩しても満足度アップの心理ワザ8つ、減塩の工夫も公開します。
目次
ダッシュダイエットとは
DASHダイエットはDietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語。アメリカで調査・研究され、高血圧の改善に高い効果があると認められています。
簡単に言うと、「高脂肪、高カロリーな食事を、低脂肪、低カロリーな食事に変える」食事法です。決められた割合で各グループの食品を摂取するだけ。生活習慣の改善(適度な運動、節酒、減塩、禁煙など)と組み合わせると更に効果が増します。
特に減塩はしなくても食塩が多く含まれる加工食品の摂取が減るので、自然に塩分の摂取量が減ります。特に塩を減らさなくても減塩ができるのです。
*腎機能に障害がある人、糖尿病の人、合併症がある人は、必ず主治医や管理栄養士の指示に従って食事療法を進めてください。
*減塩版のダッシュダイエットも有ります。
ダッシュダイエットは天然の降圧利尿剤
増やす食品 (カリウム、カルシウム、 マグネシウム 食物繊維、タンパク質) |
野菜と果物(特に色が濃い食品) 低脂肪の乳製品(牛乳、ヨーグルトなど) 魚介類(青魚が血栓症予防に有効的) 大豆製品 海藻 |
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減らす食品 (飽和脂肪酸、 コレステロール) |
肉(特に牛肉と豚の赤身以外、ひき肉、加工品) コレステロールが多い食品(卵は1日1個、イカ、 たらこ、レバー、大量の生クリームやバター、 お菓子、マヨネーズなど) |
カリウム、マグネシウム、カルシウムは食塩を体外に排出する働きが有り血圧を下げる効果があります。
カフェインは摂り過ぎると体内のビタミンやカリウムを排出し身体がむくみ易くなるので注意が必要です。珈琲、甘いもの、お酒はカリウムを消費するのでこれらが好きな場合、塩素の排出がうまくできていないことが多いです。
摂った塩分をなかったコトにする物質があった!
塩分の排出にはカルシウム、カリウム、マグネシウムの3種のミネラルが重要だと考えられています。
欧米で高血圧対策として注目されているのが先に挙げた「ダッシュ食」と呼ばれる食事法です。
高血圧の患者にこの食事法を続けてもらった介入研究では2ヶ月で平均11.4mmHgも血圧が下がったと報告されています。
この食事法の最大のポイントは野菜・果物・ナッツなどから「塩分排出作用」のある栄養素を多く摂取する事にあります。その栄養素とは3種のミネラル「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」です。
1日の目標摂取量は
マグネシウム 500mg
カリウム 4700mg
カルシウム 1240mg
(※1日2100kcal摂取の場合)日本食の中では伝統沖縄食がダッシュ食の栄養バランスに近いとされています。
コンブ、ゴーヤー、ヘチマ、パパイアなど、ミネラル分の豊富な食材が多い事に加え、いわゆるチャンプルー(いため料理)にして大量に摂取できる利点もあります。
出典:タチの悪い高血圧が!3週間で正常化する法http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20110216.html
NHKためしてガッテン2011年02月16日放送
カリウムは塩素を排出する働きがあり血圧を下げる効果が有ります。ナトリウムとともに水分を引きつけて細胞の浸透圧を維持し、ナトリウムによる血圧の上昇を抑制、腎臓の老廃物の排泄を促します。
カリウムを含むお茶はギャバが含まれている玄米茶、昆布茶、ゴーヤ茶、甜茶、玉露茶、抹茶、なたまめ茶があります。
血圧を下げる効果があるとされる食品
野菜や果物は繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウムと言ったミネラルを多く含んでいます。摂取不足が高血圧に関係し多くとることによって血圧は低下します。
野菜と果物、および低脂肪の乳製品をバランス良く摂ることで、かなりの降圧が期待できるでしょう*
柿、りんご、バナナ、大根、にんじん、しいたけ、なす、にがうりきくらげ、梅干し、イカ、ウニ、アスパラガス、海苔、かつお節
黒豆、にんにく、玉ねぎ、どくだみ汁、干し椎茸湯、柿の葉茶、昆布汁、昆布酒 など
*腎不全の人では、野菜や果物をとると血清カリウム値が上昇して危険な場合があるので注意が必要です。
減塩のコツ~薄味なのに美味しい!満足度アップの心理ワザ8つ
塩は味覚の中で非常に重要な役割を果たしています。そのため減塩食はどうしても味気がない、と敬遠されがちなのが現状です。
そこでちょっとした工夫で減塩しても満足度をあげられる心理ワザをご紹介します。
満足度をあげられる心理ワザ8つ
出汁をしっかり利かせる | 食材の味をいかす。出汁で美味しく食べられる |
酸味で味付けに変化 | レモンやすだちなどの柑橘類、ヨーグルト、いろいろな酢で味付けに変化が出る |
食感、香ばしさでアクセント | 焼き目をつける、胡麻やくるみなどで歯ざわりや風味を加える |
スパイスとハーブで薄味を補う | 香りや辛味が味を引き締めたり風味を引き立てる柚子、しそ、みょうが等の香りのある食材、 わさび、カレー、胡椒等の香辛料、海苔やかつお節も取り入れる |
オイルやナッツを使う | オイルを仕上げに少量プラス、ナッツ類のトッピング |
塩は料理の表面に使う | 下味に使うよりも料理の表面に使うほうがより少ない塩分でおいしさを感じる |
煮汁は煮含めない | 煮汁は塩分が高くなりがち。生姜を利かせる、完全に煮含めないで減塩 盛り付けの時もかけ過ぎないように注意 |
よく噛んでゆっくり味わう | 減塩しても量を食べれば意味がありません。よく噛んでゆっくり食べて食べ過ぎに注意 |
また体内に取り込んだ塩分は、朝や昼に比べて、夕食後の尿に含まれて体外に排出されやすいので朝、昼は塩分控えめにすると夕食を普通にとっても減塩効果が増します。
酢とヨーグルト
酢
血管を拡張して血液を流れやすくする効果、血液をサラサラにする効果が有ります。酢酸には血圧を高くすることに関わるホルモンの作用を抑える働きもあるので血圧を下げる効果が期待できます。
また、酢を加える事でうま味もまし、塩分を減らしても美味しく食べられます。
ヨーグルト
ヨーグルトにはエラスチン、カルシウムという血圧を下げるのに有効な成分がバランス良く含まれています。
エラスチンはコラーゲン繊維を支えるタンパク質の一種で肌の弾力やハリなどを保つ美肌成分でも有りますが、血管にしなやかで柔軟性を持たす働きも有ります。カルシウムは塩分排出を促すミネラルです。
味覚の改善で減塩成功!カギは亜鉛
何を食べても薄味に感じる、味付けが濃くなったと言われる。 もしかしたら味覚障害を起こしているかもしれません。味を感じないとどうしても塩分過多になりがちです。この場合、味覚を改善することで減塩になります。
味覚障害のうち約7割が味を感じなくなる味覚減退と言われており、その主な原因が亜鉛不足。
亜鉛不足と味覚の改善が減塩に
味を感じるのは舌の表面にある味蕾(みらい)と呼ばれる器官です。この味蕾は1ヶ月周期で生まれ変わっていますが、辛いもの、濃いものを食べると破壊されやすいのです。
味覚障害で味を感じないとどうしても味付けの濃いものや辛いものをたべがちとなり、更に味覚障害が進みます。
亜鉛が不足する原因は生活習慣による場合が多いです。
ストレス、ダイエット、飲酒、喫煙。コンビニやファストフードなどの加工食品に多く含まれるポリリン酸は亜鉛を排出してしまいます。ビタミンやミネラルの不足も亜鉛不足につながります。
亜鉛を多く含む食品
牡蠣 煮干し 海藻類 きのこ チーズ レバー 牛もも肉 うなぎ 等。
これらの食品はビタミンCやクエン酸と一緒に摂ると身体に吸収されやすくなります。
味覚を改善→食材の味が解る→減塩効果が増す
ここでも生活習慣の改善が大きく関わってくるのです。
ラベリング効果で減塩?これも心理技の一つ。
「ちょっと味が濃いかも。」「美味しい出汁を聞かせました。」などというと同じものでも美味しく感じます。
絶対言っていけないのが、「これは減塩しました。」
脳の働きって不思議ですね
メリハリメニューで減塩体質!
好きなものの塩分は減らさないことが鉄則。減塩食は美味しくなければ続けられませんが、自分の好きなものの味が変わらなければ、他のものから塩分が減っていても満足出来ます。
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この食事法を1週間続けると、薄味に慣れて結果的に減塩に成功できるのです。
これは実際に医療現場で効果を上げている美味しい減塩法です。
毎日食べた塩分量を記録することも治療としての減塩には大変効果的です。
身体に重要な働きをする塩分
塩分は身体に必要なもので体内では作れません。体内でナトリウムイオンに分解されて細部の働きを活発にして新陳代謝を促し、血液を浄化させます。塩分不足は心臓や肝臓などの働きも衰えて全身の生理機能障害につながりかねません。
脳波は脳が働いている時に発生する電流ですが、この電流の導電昨日も塩分が担っています。減塩で体液の塩分濃度が不足すると情報伝達がうまくいかずに体調不良がおこり、いろいろな病気の要因となります。
自然塩は体に必要なナトリウム、ミネラルを供給
自然塩はマグネシウムや亜鉛、鉄など体内に必要なミネラルを豊富に含んでいます。身体に必要なナトリウムは正常に働くけれども不要な塩素は排出されます。
*低温処理された自然塩の場合。
食塩(科学的合成塩)の摂り過ぎが問題
問題と成るのは塩分ではなく、食塩(科学的合成塩)の摂り過ぎなのです。1972年に塩田法が廃止され精製塩が主流となりました。食塩はナトリウムと塩素だけで出来ています。
高温で処理されているのでナトリウムと塩素の結びつきが強く、身体の中で働き者のナトリウムに塩素がくっついて離れず、血液に余分な水分を呼び込み血液が水っぽく量が増え、その血液を全身に送るために血圧が高くなります。
低温処理された自然塩はミネラルも豊富で、ナトリウムと塩素の結びつきは弱いので塩素は尿やあせ、呼気から身体の外に排出されるので塩素の害はありません。
生活習慣の改善も血圧を下げる
高血圧の治療、予防は減塩!と言われていますが、はっきりした原因がある二次性高血圧(症候性高血圧)は約1割で、実は約9割が原因が遺伝的要素が強く特定できない食塩非感受性高血圧(本態性高血圧)と呼ばれるものです。
この場合減塩が有効な治療法、予防とはいえませんが、生活習慣の改善で血圧を下げる効果が期待できます。
生活習慣で改善すべき主なチェックポイント
・適切な塩分摂取量
・肥満の場合は減量
・アルコールは適量
・禁煙
・適度な運動
・良質の睡眠
減塩で身体に必要な塩分まで不足しないよう注意することも大切です。
食塩感受性高血圧
食塩感受性高血圧は高血圧患者の約3~4割と言われ減塩、利尿薬で血圧は下がります。このタイプも遺伝性を持つことが最近わかってきました。アンジオテンシノーゲンと呼ばれ、AA、AG、GGの3つのタイプがあって感受性はAA(高い)>AG>GG(示さない)となっています。
塩分摂取量を減らせば血圧が下がるタイプの食塩感受性高血圧の場合、
・1日の塩分摂取量を6gにすると5mmHg
・標準体重まで下げると、3kgの減量で3mmHg
・禁煙で3mmHg
血圧を下げることができると言われています。
食塩非感受性高血圧(本態性高血圧/一次性高血圧)
食塩非感受性高血圧は遺伝的要素が強く本当の原因はよくわからない、というのが実情ですが環境因子も絡み合っているので生活習慣の改善や降圧剤の投与で改善を目指します。
食塩非感受性の人は塩分をとっても血圧には関係はありませんが、塩分の摂り過ぎは他の病気の引き金にもなりえるので適度に摂ることが大切です。
はっきりした原因がある二次性高血圧(症候性高血圧)は高血圧の中で1割ほどですが、腎臓病やホルモン異常など原因となる病気が治れば高血圧も改善します。
まとめ
定説である塩を減らさずに美味しく減塩するダッシュダイエット。「高脂肪、高カロリーな食事を、低脂肪、低カロリーな食事に変えるだけ」です。
「食塩を排出する食事」と言われるように特に塩を減らさずとも自然に減塩ができます。
ダッシュダイエットは今すぐできる減塩法で特別にお金が必要というわけでもありません。一気に変えず最初は1品ずつ様子を見ながら身体を慣らしていきましょう。3週間もすれば食材本来のおいしさにびっくりするはずです。
亜鉛不足を解消することで味覚を改善し、食材本来のおいしさを味わえて、結果的に減塩となります。
食生活の半欧米化(全粒穀物の摂取量減、高脂肪、高カロリー食)、精製塩の過剰摂取等で体内のマグネシウムの排泄増で日本人の成人の3分の1は高血圧と言われています。
高血圧は自覚症状がほどんど無いのである日突然動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、慢性腎臓病等心臓や血管に障害をもたらす発作を起こすので「サイレント・キラー」とも呼ばれています。
減塩しても美味しく満足度アップの心理ワザで将来のリスクを回避できるハッピー減塩法。肥満にも効果があるとなれば明日から早速実行して高血圧を撃退!
*こちらで紹介した方法などは管理人が独自に調べまとめたものです。引用以外はNHKためしてガッテンの放送内容ではありません。またどなたでも血圧を下げる効果を期待できるものではありません。必ず医療機関の指示に従ってご利用ください。
*ためしてガッテンの高血圧についての過去記事はこちらから
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/keyword_search.html?keyword=%E9%AB%98%E8%A1%80%E5%9C%A7#1
知らなかった!高血圧 衝撃の新事実 2007年01月10日放送
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